日章学園、甲斐イズムで全国の舞台へ! (高校剣道)

 

他のスポーツと同じく、学生剣道でも指導者の存在は学生剣士達の成長を大きく左右する。名将・岩本監督が就任してからの別府大学及び付属の明豊高校の躍進が著しいことは前回のブログで書いた通り。

ここにまた、名将により全国の舞台で頭角を現わそうとしている高校がある。

甲斐監督率いる日章学園である。

 

甲斐監督

甲斐監督といえば東京の高輪高校を常勝軍団に鍛え上げた名将。

宮崎県延岡市出身。延岡工業高校、国士舘大学を経て高輪高校の教員となる。高輪では38年に渡り監督を務め、その在任中に東京を制すること実に20回、3度のインターハイ優勝を成し遂げるなど同校を全国の常勝軍団に育て上げた。高輪では2016年度を最後に退任、60歳の節目となる2017年度に日章学園に体育教師として就任した。

 

日章学園

日章学園は宮崎県宮崎市の私学。甲斐が就任する前の日章学園も宮崎県を代表する強豪校ではあった。男子ではインターハイ宮崎県予選優勝5回、選抜県予選優勝1回。全国の舞台躍進することは日章学園剣道部の悲願であったものの、近年は同県のライバルである高千穂や宮崎日大に押され気味であった。

同校剣道部の設備は非常に整っている。全国的にもめずらしい2面とれる剣道場を設置。同校HP曰く、道場の床は国産杉材100%の床板と床下のゴムマウントで整備されており、生徒の足腰に負担が少なく、長時間稽古しても疲れ難く、故障しにくく、上達をサポートする環境。

実に素晴らしい。ここまで剣道のことを考えて作られた稽古場は全国でもそこまで多くはあるまい。同校が剣道部に力を注いでいることがよく分かる。

 

「Catch the moment この瞬間を逃がすな」

日章学園剣道部のスローガンだ。このスローガンは、試合でも練習でも一打一打を大切にし、全国の舞台で活躍できるよう日々取り組む、という意味が込められているのだそうだ。稽古でどんなに疲れていても己に負けることなく1本を全力で打ち込む。まさしく、甲斐監督が剣道の軸にしている「心を鍛える」ことに繋がる姿勢だ。

このスローガンで連想されるのは漫画「バガボンド」の吉岡一門。江戸時代、京都を代表する流派であった吉岡一門の神髄は”一の太刀”。 ”今、ここ、次はない”。次の一太刀のことなど考えず、まさに今この瞬間の一振りに己の全てを賭ける。命を懸けて生きていた武士の生き様だ。

 

日章学園のメンバー

ここで日章高校剣道部のメンバーを紹介しよう。(数字は学年・当時)

花牟禮凌真 2 宮崎県高原中学
河原隆介 2 東京東競武道館
中村晃之 2 群馬県藤岡北中
菊池丈琉 1 高岡中学、高岡練士館
坂本太陽 1 西米良中
西田佑馬 1 大塚中、神武館道場
早川仁 1 新潟北辰中
佐藤康生 1 諸塚中
池田圭一朗 1 東京貝塚中

特筆するべきは (Maruoの知る限り) 全員が中学時代に全国で活躍していたメンバーというわけではないということ。全国的に名が知られているという意味では西田佑馬が所属していた大塚中、神武館くらいだろうか。

レギュラーは今のところ先鋒・中村、次鋒・菊池、中堅・西田、副将・早川、大将・花牟禮。中3人が1年生という事で割と若いチームと言えるだろう。

 

日章学園の2018年

新チームは幸先の良いスタートを切った。

昨年11月に行われた宮崎県新人戦で強豪の高千穂高校を押さえ見事団体優勝 (7年ぶり7度目)。ちなみに高千穂は昨年のインターハイ覇者で古豪復活を全国に知らしめた強豪。この高千穂に勝利したことは日章学園の面々には大きな自信になったことだろう。

しかし、残念ながら3月に行われる選抜への切符は高千穂と宮崎日大に奪われてしまった。

残るは玉竜旗、魁星旗、インターハイだ。どの全国大会も上位入賞を果たせば大変な功績だが、九州の高校である日章学園にとって特に強い想いを持っているのは玉竜旗であろうか。この剣道界最大の勝ち抜き戦は甲斐監督にとっても思い入れ深く、是が非でも獲得したいタイトルだろう。

高輪高校でも最高成績は2006年と2013年の準優勝で惜しくも優勝には手が届かず。2013年は決勝まで勝ち上がり、次鋒の阿部 (2年) が鬼のような強さで相手校の福岡大大濠を3人抜きし大将の梅ヶ谷(後の中央大学大将、全日本個人3位、全日本学生個人優勝など) を引っ張り出した。多くの人が、遂に関東の高校が玉竜旗を獲るのか!と思ったところで、この稀代の大将・梅ヶ谷が逆に4人抜き返し地元の大濠が大逆転優勝を果たした。福岡マリーナにいた観客は皆、梅ヶ谷の技のキレと連戦に耐え抜くタフネスに驚愕したのだった。後に、”梅ヶ谷の伝説の大会”と言われるようになった玉竜旗だ。

高輪高校で輝かしい実績を残した甲斐監督が地元宮崎に凱旋し、鍛え上げた日章学園で玉竜旗を獲る日が来ればこれほど胸アツな展開もあるまい。

着任早々、宮崎県を制したことからも分かるように甲斐先生の指導力と日章学園メンバーのポテンシャルに疑いの余地はあるまい。今後も甲斐先生の指導を受けるために続々と優秀な剣士が日章学園に集うであろうことは高輪高校を見ても明らか。日章学園剣道部の未来は明るい。甲斐先生と日章学園剣道部の”挑戦”は必ずや近いうちに全国の舞台で旋風を巻き起こすに違いない。

多くの剣道ファンは高輪剣道の再来を期待しているのだと思うが、高輪の二番煎じではなく後の世代に”日章剣道”と呼ばれるような日章学園の活躍をMaruoは密かに期待している。

 

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