全国高校剣道選抜、徒然なる雑感② (高校剣道)

さて、1回戦から全国高校剣道選抜の動画をチェックしていたら完全に寝不足で凄まじく眠い。

でも、実に面白い!前回に引き続き選抜の試合を見てMaruoが思ったこと、注目した選手などを徒然ないままに語っていきたい。

 

翔凛(千葉) VS 高千穂(宮崎) 一回戦

高千穂は言わずとしれた昨年のインハイ王者。玉竜旗でも準優勝と「古豪・完全復活」を剣道ファンに印象付けた。勢いそのままに、宮崎県では躍進著しい日章学園などの追撃を振り切って本選出場権を獲得した。昨年の主力だった清家、林、石本らが抜けた後に柱となっているのが谷口(大塚中)、大将を務める。大将以外のオーダーはまだ流動的なようだが、メンバーとしては東(相良中)、新森(大塚中)、木山(東大阪)、山片(人吉第一中)だ。

翔凛は千葉県を2位で通過して本選に進んできた。千葉県は東海大浦安、東京学館浦安、安房、習志野、中央学院などの強豪がひしめく全国有数の激戦区だ。

試合は高千穂先鋒の木山が軽快に1分半で2本勝ち。

次鋒の新森は最短距離で相手の面を打ち抜く飛び込みメンを得意とする選手。今回はそのメンは炸裂せず引き分け。

中堅の翔凛・遠藤 VS 高千穂・山片の試合は互いに1本ずつ取り合い、終盤に山片が場外に出て2回目の反則を犯し遠藤の勝ち。おいおい・・・正直なことを言うと、高千穂がリードを奪ったまま余裕の勝利を収めると思っていたのだが、翔凛は勅使河原といい遠藤といい完全に九州仕込みのスピードについていっているではないか。いや、むしろ高千穂をヒヤヒヤさせる惜しい打突を連発しており、想像以上の手練れ揃い。激戦区・千葉を勝ち上がってきた実力は間違いなくホンモノだ。

副将の翔凛・西川 VS 高千穂・東は1本ずつ取り合って引き分け。大将戦を前にして勝ち数では1-1とタイだが、得本数で高千穂が1本上回っている。谷口が引き分ければその時点で高千穂の勝利だ。

さて、大将戦は序盤から動く。翔凛の高瀬が鮮やだかな引きメンを奪ってなんとなんと翔凛が逆転だ!主審のはじめ!の合図とともに今度は谷口がメンに飛んだ!1本だ!試合を振り出しに戻した。

1回戦からなんてハイレベルな大将戦だ。おっと、高瀬の惜しい逆ドウ!観客席がオオォー!と沸く。昨年のインハイ王者として1回戦負けは許されない高千穂。高瀬がメンに飛ぼうと手元が上がった一瞬、谷口の爆裂出コテがバコォーーン!と決まった!高千穂、2-1で辛くも勝利だ!

千葉代表・翔凛の強さが際立った、素晴らしいガチンコ勝負だった。

 

明豊(大分) VS 東海大札幌(北海道) 一回戦

これも一回戦からもったいない組み合わせ。

明豊の剣道部は岩本総監督を指導者として迎え2016年の4月に創部された。この指導を受けるため大分県内外から将来有望な11人の選手 (女子含む) が集まり、その創部一年目の2016年、明豊は部員全員が1年生ながら何と何と大分県三冠を達成。

中尾(大阪市立菫中)、武蔵(常総市立水海道中)、釘宮(大分市立東陽中)、伊藤(日田東部中)、堤(大分中出)、深田(竹田南部中 / 光明館)、山口 (杵築中)といった面々で全国の頂点を狙う。今年は中尾、武蔵、釘宮ら「破天荒ルーキー」と呼ばれた1年生らが最終学年を迎える年でもあり、意気込みは強い。

2年前に1年生軍団が大暴れと一躍高校剣道界の注目を浴びた明豊であったが、残念ながら今のところ4大大会では入賞を逃している。このままでは、大分県だけの内弁慶、と言われてしまいそうだが決してそんなことはない。今年2月に行われた九州大会で明豊は堂々の3位入賞を果たした。準決勝では東福岡と代表戦までもつれ込む大接戦。最後は東福岡の大将・中山に中尾が豪快なメンを奪われ決勝進出を逃したが、全国トップクラスの実力があることは十二分に証明した。更に個人では中尾が3位入賞。

明豊高校、破天荒ルーキー達の集大成 (高校剣道)

2018.03.13

 

東海大札幌は多くのスター選手を輩出してきた北日本を代表する強豪校。元々は東海大学付属第四高等学校という校名で剣道界では ”東海大四” として名を知られていたが、2016年に校名が東海大付属札幌高等学校に変更となった。

これまでに全日本選手権を制するなど日本を代表する剣豪であった栄花直樹 (北海道警) 、昨年の全国警察剣道選手権で優勝した安藤翔は東海大四の出身。

さて、今年の東海大札幌は県内で無類の強さを誇る。1月に行われた選抜県予選、東海大札幌は団体優勝に加えて、個人戦も優勝・青木、準優勝・春木、3位、とまさしく総なめ。

レギュラー陣の中でも特に青木の剣道は素晴らしい。立派な体格から力強い剣道を展開し、水戸葵陵の岩部とも互角に渡り合える実力者だ。青木は東京の名門・東松館の出身。小川 (現九州学院レギュラー)や大平 (現佐野日大大将)らと切磋琢磨し、高校では自らを更に鍛えるため北の大地を選んだ。

先鋒戦は明豊1年の堤がそのスピードを手数で東海大札幌の上段・春木を圧倒し、試合中盤に飛び込みコテを奪って1本勝ち。

明豊は次鋒の板井、中堅の伊藤も小気味よく技を繰り出すスピーディーな選手。主将でもある伊藤は日田東部中時代全国大会に出場した実力者。明豊がスピードで翻弄すれば、体格で勝る東海大札幌がパワーで対抗する。惜しい打突はありつつ、両者とも引き分け。

副将戦も引き分けで明豊が1勝リードしたまま大将戦だ。明豊・中尾 VS 東海大札幌・青木の戦いは今大会で最も楽しみにしていた試合の一つ!お互いに立派な体躯を誇り、豪快な剣道をする。

勝利が必須な青木が懸命に攻めるが、1年生時大将を務める百戦錬磨の中尾は動じない。逆に青木がコテに来たところを綺麗にコテ抜きメンで1本。青木、いよいよ後が無くなった。あー!青木が前に出たところで中尾の飛び込みコテが炸裂だ!勝利が必要な青木だったが、良い所なく、逆に中尾に2本勝ちを許してしまった。

明豊が2回戦進出。

 

安積(福島) VS 九州学院(熊本) 二回戦

九学についての説明はもはや不要だろう。高千穂同様、全国屈指の歴史ある強豪校だが、ここ5,6年は特に連勝街道を突っ走り、選抜ではこれまでに5連覇、今回は6連覇がかかる。それにしても、試合を待っている九学の面々を見ているといつも思うのだが、選手達と米田監督が和やかに談笑しているのだ。いわゆる厳しそうな、怖そうな監督が多い剣道界でちょっと珍しい光景。(もちろん、稽古時の米田監督は非常に厳しいのだが・・・) ここに九学が強い理由があるのかもしれない、と思った。

再び選抜の頂点に立てるか 絶対王者・九州学院 (高校剣道)

2018.03.13

さて、九学の先鋒は渡邊。1回戦では深水晧斗だったが、オーダーを頻繁に入れ替えて最適解を探るのが米田流だ。渡邊、期待に応えてコテメンで2本勝ち。渡邊はここ数か月の好パフォーマンスでレギュラー陣の中でも序列を上げている印象を受けている。次鋒は最近1年生にしてレギュラーに食い込んできた和歌山・西和中出身の岩間。上背はまだないが1年生とは思えぬガッシリした体格で小さな戦車のよう。瞬発力抜群の引きメンを決めて1本勝ち。

中堅の小川大輝は引き分けで副将の池内に繋ぐ。池内は優勢に試合を進めるが、安積の斧田にメンを奪われる。いやはや、それにしても1本取られただけでここまで会場がどよめくのは九学だけ。それだけ「九学は勝つ」ものだと思われているということだ。結局、池内はそのまま1本負け。九学の厳しいレギュラー争いを考えると、ここは勝っておきたかったところだ。

オーダーを頻繁に入れ替えてくる九学だが、大将の重黒木祐介だけは例外で昨秋からずっと大将を務める。派手さがあるわけではないが、とにかく無駄打ちせずスキがない。淡々と試合を進め気づいたら勝っている。粘り強さも半端ではなく、時間制限のない個人戦では無類の強さを誇る。2月に行われた九州大会個人では見事優勝。その剣風ゆえか、団体戦では引き分けも多いが、負けない剣道という意味で監督からは絶対的な信頼を得ている。おそらくだが、重黒木が大将を務め初めてから大事な場面で負けたのは熊本県新人戦の東海大星翔・櫻井だけではないだろうか?

打倒・九州学院なるか? 東海大星翔 (高校剣道)

2018.03.13

この試合でも大将戦は引き分け、2-1で九学が3回戦に駒を進めた。

 

ちなみに前述の東海大星翔は1月の熊本県予選で準優勝を果たし、今回の選抜で初の全国大会出場。1回戦の明和県央(群馬)戦で見事、全国大会初勝利をあげた。

つづく

 

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