九州学院、選抜6連覇を達成 (高校剣道)

3/28(水)、全国選抜剣道大会は男子は九州学院、女子は中村女子学園が連覇を達成し閉幕した。

九州学院は今回の優勝で選抜は前人未到の6連覇。改めて、高校剣道男子の絶対王者は誰であるかを全国に知らしめた。

九学の4大大会における戦績は下記の通りだ。まさに圧倒的。

  選抜 玉竜旗 魁星旗 IH
2013 九州学院 福大大濠 九州学院 九州学院
2014 九州学院 九州学院 九州学院 九州学院
2015 九州学院 九州学院 九州学院 九州学院
2016 九州学院 九州学院 九州学院 九州学院
2017 九州学院 九州学院 島原 高千穂
2018 九州学院

 

さて、これまでに何回も記事にしてきた九学であるが、今回の選抜での戦いぶりもあわせて九学について語っていきたい。

 

選抜での戦いぶり

今回の選抜を終えて、とにかく思うことは九学やはり強かった、である。

実を言うと、選抜の前に結果予想をしたのだが、九学は準決勝まではあがるものの、順当に上がってくるであろう福大大濠には若干分が悪いと考えていた。そこで、私の予想は優勝:福大大濠 準優勝:佐野日大 3位:九州学院 / 明豊としたのだが大ハズレ。まあ、剣道とはそういうものだとしていただきたい(笑)

さて、九学はトーナメント1回戦で山口鴻城(山口)、2回戦で安積(福島)、3回戦で磐田東(静岡)、4回戦で清風(大阪)を下す。ここまでは、誤解を恐れず言えば順当な勝ち上がりだ。

準決勝では優勝候補の福大大濠を代表戦で下してきた敬徳(佐賀)と激突。先鋒から副将まで全て引き分けで勝負の行方は大将戦に持ち込まれる。敬徳の大将は小川。中3時に全中個人5位の実力者で1年生にして大将をつとめる。準々決勝では全国トップクラスの実力を持つ福大大濠・木島に2本勝ちして観客の度肝を抜いた。敬徳と福大大濠の試合を見ていた観客の中には「もしかすると敬徳は九学も食ってしまうんじゃないか?」と思った人も少なくなかったはずだ。

重黒木と小川の大将戦。重黒木は潮田中、小川は戸塚中とどちらも神奈川県の出身。お互いの存在は知り尽くしている。

上背は同じくらいだが、細身の重黒木に対して小川の方がガッシリしている。とはいえ、重黒木にはここ数か月で大将の風格が備わってきている。

重黒木、まずは試合序盤に飛び込みコテを決める。さらに間髪入れずに惜しい出コテだ!九学の米田監督、思わず立ち上がりそうになる(笑)  そしてその直後、間合いを詰めた重黒木がメン!これも決まった!何という決定力だ!

重黒木が小川に格の違いを見せつけ、圧勝。九学が準決勝進出を決めた。

決勝の相手は長崎の島原。九学と島原の決勝は剣道ファンなら見慣れた組み合わせだろう。

島原は新チーム発足当初、長崎県でも西陵や島原中央に後れを取りなかなか結果が出なかったが、伝統的にスロースターターのチーム。毎年、春先になると必ず全国トップを狙えるチームを作り上げてくる。一体どんな稽古をしているのだろうか、高校剣道界七不思議のひとつである・・・

島原は優勝候補と言われていた佐野日大を1回戦で破った大社を準々決勝で撃破、準決勝で奈良大付属を破って決勝に上がってきた。

九学の剣道をとすれば島原は。厳しい稽古で力強さのある剛剣を鍛え上げてくる。

九学は決勝で先鋒から福田、渡邊、池内、小川、重黒木という布陣で臨む。やはり深水は調子が上がっていないらしく選外。

先鋒戦は福田が島原の松崎から爆発的な引きコテを奪い先勝。おお、この引きコテ、一昨年のインハイ団体決勝、九学 VS 麗澤瑞浪で当時先鋒だった鈴木が森に決めた爆裂引きコテにそっくりではないか!

ご存知の通り、鈴木は先鋒として勝ちまくり九学の連覇に大貢献した選手。やはり福田、九学の「勝てる先鋒」の系譜を受け継ぐ男だ。今年の九学の命運は福田にかかっていると言っても過言ではないかもしれない。

次鋒戦は昨年からレギュラーに入っている島原の前田が渡邊にメンを決め1本勝ち。

中堅、副将は引き分けで勝負はタイのまま大将戦へ。

重黒木と黒川、世代トップを走る二人の大将戦は力が拮抗したまま引き分け。代表となるも、当然のことながら二人の続投だ。延長戦が10分に差し掛かろうとしたその時、一瞬のスキをついた重黒木得意の引きメンが決まり、九学が6連覇を果たした。

重黒木の勝負強さ、延長戦での粘り強さは異常である。

 

重黒木、偉大な大将の片鱗

立場が人を育てると言うが、九学の大将を務める選手を見ているとそれを実感する。

2代前の大将を務めたのは星子。中学時から世代トップクラスの選手ではあったが、その前の大将が真田、山田、槌田とあまりにスゴすぎる面々であったためか、大将になったばかりの頃は周囲から「物足りない」と言われていた。しかしものの数か月で凄まじい大将のオーラを身に着け、絶対的大将として君臨。4大大会全制覇、インハイ個人優勝とパーフェクトを達成し高校剣士の完成形と評されたことは記憶に新しい。

星子の後を継いだのは岩切。2年時には中堅を務めており、大事な場面であれっという感じで負けてしまうことがあったため「精神的に不安」があると言われていたが、こちらも大将をはるようになってから勝負強さが増し、インハイ個人優勝を達成する。

重黒木も1年次からレギュラーに抜擢される。その剣風から負けることはほとんどないのだが、なかなか勝てない。潮田中で大将を務めていた頃の爆発力が無くなってしまったと言われていた。しかし、である。まさにここ2,3ヵ月で大化けしつつあるように感じる。大将としての風格と言おうか、ドッシリとした感じが出てきて打突の力強さと決定力が格段に上がっている。

正直なことを言うと、今年に関しては重黒木よりも大濠の木島や島原の黒川、佐野日大の大平が大将として大成するのではないかと考えていたが、この考えは既に改めた。

これまでの九学大将と同様、重黒木も今年偉業を成し遂げてくれる予感がする。

 

魁星旗、奪還なるか

選抜の熱も冷めやらぬ中、3/20から次の4大大会である魁星旗争奪全国高校勝抜剣道大会が秋田で開幕している。5人制勝ち抜き戦の魁星旗は昨日3/30までで4回戦が終了しベスト16が出そろった。

九学はしっかり勝ち残っている。また、地元の秋田南も虎視眈々と優勝を狙う。個人的に嬉しいのは東海大星翔が勝ち上がっていること。九学と同じ熊本県の高校であるため中々全国の舞台に出る機会が少ないが、日頃から九学としのぎを削っている実力は本物だ。躍進を期待したい。

ちなみに、ベスト16のうち実に半分の8校(九学、島原、福大大濠、東福岡、福岡第一、敬徳、高千穂、東海大星翔)が九州勢である。福岡で行われる玉竜旗ならまだ「九州のホームだから」と言えるのだが、九州から遠い秋田で行われている魁星旗でこの状態なので、いかに九州勢が強いかよく分かる。

九学にとって昨年の魁星旗は苦い記憶だ。選抜を連覇し、意気揚々と魁星旗に乗り込んだが決勝トーナメント2回戦で龍谷の副将・中山に大将の岩切勇磨が抜かれ、龍谷の大将と戦う前に敗戦が決定してしまったのだ。岩切が敗れた瞬間、歴史的転換点に立ち会った観衆は大きくどよめいた。

今日は昨年の雪辱を果たし、魁星旗を熊本に持ち帰る!九学の面々はそう胸に誓っているはずだ。

九学の今の勢いをもってすれば、魁星旗奪還は全く持って不可能ではない。

それに他の九州勢がどう対抗するかが見ものだが、勝ち抜き戦で九学に勝つためには重黒木を破る必要がある。時間制限のない個人戦では無類の強さを誇り、2月の九州大会個人で優勝を果たした重黒木を破るのは至難の業。前述の通り、先日の選抜決勝でも延長戦で重黒木が島原の黒川から引きメンを決めて優勝を決めた。

さて、そう言っているうちに九学はベスト8に進出した。

九学、連勝街道を突き進むか?

 

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