2019年高校剣道世代五傑 暫定版はこれだ!

 

先日更新した「2018年高校剣道 世代五傑・暫定版はこれだ!」は既に多くの人に読んでいただいている。やはり、「世代で最も強い5人」についてあーでもないこーでもないと妄想したり話したりすることは楽しいのだ。

さて、だいぶ気が早いが今回は今年の春に高校2年生になった新世代から世代五傑を選んでみたい。彼らがチームの中心になるのは今年の夏に一つ上の3年生たちが引退してから。しかし、力のある2年生は既に各校で台頭してきている。

今回取り上げる5人の “新2年生” は既に高校でも主力として大活躍している、もしくは今後より一層輝くであろう剣士達だ。

 

1.小川 (佐賀・敬徳)

神奈川県戸塚中出身の小川は中3で全中ベスト8。自らの剣道を極めるためはるばる関東から佐賀の敬徳に進学した。

敬徳では1年生から大将として活躍。

昨年12月に行われた選抜佐賀県予選の決勝は敬徳 vs 龍谷。龍谷は全国大会常連校だ。試合は大将戦を終えて2-2のタイ、代表戦を小川が制して優勝を飾った。

選抜本戦で敬徳は盛岡第四、国士舘、和歌山工業を破って準々決勝まで上がってきた。準々決勝の相手は2月に九州選抜団体を制した福大大濠。大濠優勢という予想が多数を占める中、先鋒引き分け、次鋒は大濠の池田が2本勝ち、中堅/副将引き分けで大将戦に回ってきた。福大大濠の大将は今の3年生世代を代表する木島、小川は木島に2本勝ちしてやっと代表戦に辿り着けるという最高難度のミッションをつきつけられた。

しかし、小川は1年生とは思えぬ落ち着いた試合運びで木島を攻め、なんと2本勝ちをおさめてしまったのだ!何という1年生だ。

そして代表戦、大濠は1年生の池田虎が出てきた。1年生世代を引っ張る二人の戦いだ。両校の名誉をかけた二人は互いに一歩も引かない好勝負となるが、最後は大将経験の長い小川がコテを奪って見事準決勝進出を決めた。

準決勝の相手は選抜5連覇中の九州学院。先鋒から副将まで全て引き分けとなり、勝負の行方は小川 vs 九学大将・重黒木の勝敗にゆだねられる。小川が大濠戦と同じ展開で九学を食ってしまうかもしれない・・・!そう思ったのもつかの間、重黒木が怒涛のコテ、メンを決めて2本勝ち。その勢いのまま九学が選抜6連覇を果たした。

1年生ながら堂々たる大将として君臨する小川を見ていると、個人的に連想するのは麗澤瑞浪の黄金期を牽引した小角。彼もまた1年生時から全国の猛者と渡り合い、鮮烈な印象を剣道ファンに残した剣士である。

1年生から大将をつとめ、上の年代の強豪選手との修羅場をくぐり抜けている小川の経験値は他を寄せ付けない。今年のみならず来年の小川の活躍が今から非常に楽しみである。

 

 

2, 3.池田兄弟 (福岡県・福岡大大濠)

池田虎ノ介・龍ノ介はおそらく今剣道界で最も注目を浴びている双子の剣士だ。そして、これまでの高校での活躍ぶりを見れば、”新2年生” 世代の筆頭は池田虎ノ介だろう。

池田兄弟は幼少期から地元の名門道場・如水館で剣道を始める。虎ノ介は老司中では中3時に全中個人ベスト16。2人は高校は父と同じ全国屈指の強豪・福岡大大濠に進学し、1年生時からレギュラーに定着しだす。

2人の剣道は素早い脚さばきで自分のペースを作り、スキあらばガンガン積極的に打ち込んでくる。特筆すべきは試合勘と打突機会の素晴らしさ。その抜群のセンスであっという間に一本を取って帰ってくる。スピードやパワーはともかく、試合勘や打突機会というのは小さい頃から剣道に触れていても正直なところセンスがなければ中々一定以上のレベルにはならないのだが、彼らの剣道を見ていると抜群のセンスを感じざるを得ない。

さて、先日行われた選抜で大濠は残念ながらベスト8に終わったが、次鋒として出場した虎ノ介は3勝1分けと素晴らしい成績を残し1年生(当時)にして優秀選手に選出された。特に2回戦の水戸葵陵戦は大濠にとって最初の山場だったが、虎ノ介が相手の一年生エース・鈴木に2本勝ちし勝利に大きく貢献した。

そして更に凄かったのが準々決勝の敬徳戦。次鋒戦をあっさりと2本勝ちした虎ノ介だったが、チームとしてはまさか大将の木島が敬徳1年生大将の小川に2本負けを喫し代表戦にもつれこむ。敬徳はもちろん小川が続投。大濠はと言うと驚くべきことに木島ではなく1年生の虎ノ介を代表戦に選んだのだ!この大会で絶好調だった虎ノ介ではあるが、あの強豪・大濠で1年生が代表戦に出てくるとは・・・と会場はざわめいた。代表戦は好勝負となるが、最後は小川が渾身のコテを決めて敬徳が準決勝に勝ち上がった。

敗れた虎ノ介ではあったが、大濠が準々決勝まで勝ち上がったのは間違いなく虎ノ介の大きな貢献があったからだ。今夏以降の大濠はまず間違いなく虎ノ介を大黒柱としてチーム作りを行うだろう。龍ノ介も2月の九州大会で団体戦に出場するなど虎ノ介に匹敵する力を持つ選手であり、ここでは五傑に選んでいる。2人の同学年には西口(関中)、濵地(元岡中)、岡本(大塚中)らがおり非常に層は厚い。今年のみならず来年も大濠の躍進が見られることだろう。

若き龍虎、全国の頂点へ (高校剣道)

2018.03.30

 

4.岩間 (熊本・九州学院)

岩間は和歌山・西和中出身で近畿チャンピオンのメダルを持って熊本の地にやってきた。

同学年には全中個人3位の相馬をはじめとして山平、三浦などの九州学院中から上がってきた選手がおり、全国1の選手層を誇る九学で1年生後半からレギュラーに定着し始める。全国トップクラスの中学生剣士が集まる九学で早々にレギュラーに食い込む実力は並ではない。

上背は高くないものの、厚い胸板と強靭な体幹を持ち、まるで戦車のようだ。よく見ると腕の太さも凄いことになっている。その堅実な試合運びは先輩の重黒木に少々似ている気がする。常に勝利を求められる九学のレギュラーとしてはまだなかなか思い切った打突が見られていないが、慣れてくればより一層攻めの剣道が見られるだろう。

 

5.原田 (栃木県・佐野日大)

東京の名門道場・東松館の出身で中3時に東松館が日本一となった時の優勝メンバー。

佐野日大では1年生から主に先鋒や次鋒の前衛でレギュラーに定着、昨年の佐野日大の躍進を支えた。昨年の玉竜旗7回戦、九州学院戦の先鋒戦で2年生エースの重黒木祐介と対決。勝負は引き分けに終わったが、「あの重黒木と引き分けた1年生がいる」と一部の剣道ファンの間でちょっとした話題になった。

先鋒らしく、原田の剣道はファイティングスピリットが溢れており、どんな相手でも臆さずにガツガツ攻め込んでいく。ここ2,3ヵ月の試合見ていると、厳しい冬の稽古を経て一回り大きくなった体格で鋭い打突をするようになったと感じる。

今の大将である大平が引退した後は原田が佐野日大を引っ張る存在になるだろう。近年躍進著しい佐野日大の勢いを更に加速させられるかどうかは、原田にかかっている。

 

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以上5名の剣士が今のところ Maruoの考える“新2年生” 世代五傑だ。

この5名以外でも、鈴木(水戸葵陵)、竹本 (東福岡)、濵地、西口(いずれも福岡大大濠)、吉村(高千穂)、相馬(九州学院)、堤(明豊)、豊田兄弟(水戸葵陵) などなど注目選手は多い。

と言っても、高校生の成長は実に早いのだ。ほんの数ヵ月で見違えるように成長してくる選手も珍しくない。

例えば、昨年の水戸葵陵・杉田。高森中でも全国トップクラスで活躍する実力のある選手だったが、高校3年生の夏前に大化けし手の付けられない選手になってインターハイに出てきた。剣道ファンの記憶に新しいであろう、インターハイ団体1回戦九州学院戦では中堅の杉田が九学の長尾(インハイ個人3位)から怒涛の2本勝ちをおさめ試合の流れを葵陵に引き寄せた。個人的に杉田は去年最も成長幅の大きかった選手だと思っている。

今後、流星のようにスター選手が現れてくることもあるだろう。私の挙げた世代五傑をあっさりと覆してくるような選手がたくさん台頭してくることを楽しみにしたい。

 

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