常勝軍団・大阪府警を語る (剣道)

 

今、日本国内で最も団体戦で強いチームはどこか?と聞かれたらこう答えるだろう。

それは大阪府警である、と。

今回は、日本剣道界の常勝軍団・大阪府警について語っていきたい。

 

余談だが、警察剣道を見たことのないあなたはぜひ一度Youtubeなどで見てみてほしい。

警察剣道の特徴の1つはとにかくアグレッシブ。犯罪者を捕まえたり暴徒を鎮圧する警察官や機動隊員たちによる剣道だからか、非常にパワフルで攻撃的な剣道を見ることができる(足かけなどは日常茶飯事)。更に、学生剣道では一般的に禁止されている声援もOKなので会場は声援や歓声で熱気に満ちている。特に大阪府警応援団の声援 (ヤジ?笑) はすごい。そして何より剣道のレベルが非常に高い。学生時代に突出した剣士のみが入ることを許される特練の猛者たちによる試合なので間違いなく日本トップクラスの剣道が見られる。

ぜひ一度動画で見てみることをオススメする!

 

全国警察剣道大会3連覇

大阪府警の男子は警察剣道の最高峰である全国警察剣道大会の第一部で2015年から3連覇、今年は4連覇がかかっている。もともと警察剣道の強豪ではあった大阪府警だが、5年ほど前までは警視庁など他県警察としのぎを削っていた。しかし、近年は大阪府警の強さが圧倒的で、それに警視庁や神奈川県警、北海道警がどうにか食らいつくという流れになっている。

昨年行われた第64回全国警察剣道大会の決勝で警視庁と対決した大阪府警だが、7人制の団体戦で5勝1分1敗と警視庁を圧倒して連覇を果たした。警視庁は越川一孝、畠中宏輔、竹ノ内佑也ら日本を代表する剣豪を擁する強豪チームで、これまた強豪・神奈川県警との準決勝を勝ち抜いて決勝まで上がってきた。その警視庁を大差で破るとは大阪府警恐るべし、だ。

そして個人戦においても昨年は男子で江島千陽が3位、女子では全日本女子剣道選手権を2連覇した偉業を持つ山本真理子が優勝。2016には男子で現在大将をつとめる大城戸知が優勝、女子は山本真理子が準優勝、森山加世が3位に入賞した。そして2015年は以前このブログでも書いた通り土谷有輝が初優勝、女子では山本真理子が優勝、同僚の田山秋恵が3位に入った。

こうして見るだけで、近年の大阪府警がいかに警察剣道界を席巻しているかお分かりいただけるであろう。もちろん、大阪府警以外も、例えば2014年には警視庁の畠中宏輔が個人優勝、昨年は北海道警の安藤翔が初優勝など対抗してはいるが、やはり大阪府警抜きで今の警察剣道を語ることはできない。

ちなみに、大阪府警の山本真理子は府警師範である山本雅彦教士八段の御令嬢。身長162cmで決して恵まれた体格ではなく見た目は非常に可憐な女性なのだが、一瞬の隙をついて飛び込むスピードと思い切りの良さで日本女子剣道を牽引する存在だ。これまでに全日本女子剣道選手権大会8回出場第51・52回大会優勝、3位3回、世界大会団体優勝3回、全国警察選手権大会優勝5回という圧倒的な戦績を残す女傑だ。そのあまりの強さから、以前テレビ番組で特集を組まれるほどであった。

 

 

大阪府警の豪華メンバー

大阪府警の特練生は皆、学生時代にトップクラスの成績を収めた剣道エリートたち。その主力メンバーをここで紹介しよう。

大城戸知  (おおきど さとる)錬士六段。愛媛県出身。大阪府警では第一機動隊。愛媛県の新田高校→鹿屋体育大学から大阪府警に奉職、現在は府警団体戦の大将をつとめる。これまでに全日本選手権大会2回目出場世界大会個人出場全国警察官大会団体優勝・個人優勝、国体優勝などの成績を残す。大城戸の父である大城戸功も有名な剣道家だ。長身でスラッと伸びた美しい構えから中心を割るメンを得意とする。

江島千陽  (えじま かずはる):五段。佐賀県出身。鹿屋体育大学から大阪府警に奉職。大阪府警では第一機動隊。全日本選手権大会出場、全国警察官大会団体優勝2回。九州仕込みの機動力が武器の剣豪だ。

 

前田康喜 (まえだ やすき):四段。兵庫県出身。鹿屋体育大学から大阪府警に奉職。大阪府警では第一機動隊。全日本選手権大会出場、全国警察官大会団体優勝2回、個人3位、国体出場。全日本に初出場した昨年はベスト8まで勝ち上がり優秀選手に選出された。圧倒的な打開力で大阪府警の先鋒をつとめる。

土谷有輝  (つちたに ゆうき):四段。石川県出身。地元の金沢高校→国士舘大学を経て大阪府警に奉職。大阪府警では第一機動隊。全日本選手権大会出場、全国警察官大会団体優勝・個人優勝。土谷選手の攻撃的でパワフルな剣道はさながら猛獣のようだ。そのギラギラした剣風に魅かれる剣道ファンは少なくないはず。大阪府警の団体戦ではポイントゲッター。

 

それに加え、大石寛之、岩切崇聡、牛島辰徳といった選手らが脇をガッチリとかため、団体戦では全く穴がない。

そして個人的に気になる存在が、昨年高校から直接大阪府警に奉職した小角朋樹。麗澤瑞浪では1年生時から稀代の大将として同校の黄金期を築き、インハイ団体準優勝、個人3位と素晴らしい成績を残した。歴代高校剣士の中でも非常に完成度の高い素晴らしい剣道をする小角だが、大阪府警の層の厚さを考えればまだ数年の間は団体戦のレギュラーに選出されることはないだろう。しかし、彼が頭角を現せば、また大阪府警を黄金期に導いてくれるに違いない。

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大阪府警のこれから

メンバーが依然として充実している大阪府警の一強時代はもう2年ほど続くのではないかと思う。そしてチームの中心は徐々に大城戸知から土谷有輝にシフトしていくのだろう。一方で、把握できているところだけでも、鹿屋体育大学大将だった真田裕行が神奈川県警に奉職するなど、他県警も巻き返しを狙っている。

一世代前、大阪府警の大将をつとめた寺本将司は2006年の世界選手権の準決勝でアメリカに敗退するという屈辱を経験した人物だ。その3年後、日本代表のリーダーとして世界選手権個人優勝、そして団体優勝を果たし日本の強さをあらためて世界に示した。

寺本だけでなく、これまで大阪府警は日本を代表する多くの剣豪を育ててきた。日本剣道がますます発展するためには大阪府警の存在は欠かせない。王者の座を死守する大阪府警と、それを打倒するべく剣を磨く他県警。その切磋琢磨によって日本剣道は更なる高みへ飛翔していけるのだろう。

 

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